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| 第三回 「緑の木の葉と緑のしおり」(悠里) |
幼い彼女は、木の葉を拾った。
青々とした生命力溢れる木の葉。
それをいつもポケットに入れて家へ持ち帰っていた。
緑の季節が来る度に彼女は緑のまま落ちる木の葉を拾っていた。
その癖を見て、最愛の彼は「変なの」と言っていた。
そんな彼は本を読むのが好きだった。
必ず二人とも同じ本を読んでいて感想を言い合っていた。
そして、それから時は過ぎていった。
彼女は小説を読む時、二枚のしおりを使う。
一つは普通のしおり。
もう一つは緑色に染めた木の葉のようなしおり。
ある時、知人が不思議そうに彼女の行動を見ていた。
そして問い掛けてきたのだが、その返事で知人は口を閉じた。
「私の最愛の人の髪の毛が入ってるの。このしおりに」
ひとりの少女が木の葉を拾った。
まだ瑞々しく艶やかな光沢を放つ木の葉はまだ緑色だ。
少女は首を傾げた。
「なんでこんなに元気な葉っぱが落ちてるの?」と。
「それはね?」
声が聞こえて少女はふっと振り向いた。
彼女はとても優しく微笑んでいて、腰まである長い黒髪がはらりと落ちてくる。
少女は彼女を一目見て、恐いと言った。
一般の成人なら美しい人で通るであろう彼女を見て少女は悪魔と言った。
彼女はほほ笑みたを絶やさず「どうして?」と聞いていた。
少女が黙っている中、鼓動がなだらかになるような声で彼女は言った。
「緑の葉っぱが落ちるっていうのはね、自殺と同じだから」
緑のしおりを挟んだ本を手にして彼女はその場から立ち去っていった。
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